新規遺伝子ベクターへの展開を目指したブロック共重合体ミセルの構造設計と物性評価
Project/Area Number |
02J08125
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 好嗣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ブロック共重合体 / 遺伝子ベクター / ポリエチレングリコール / リガンド / 遺伝子治療 / ポリイオンコンプレックスミセル |
Research Abstract |
ブロック共重合体ミセルの遺伝子ベクターへの機能展開を中心に捉えた研究計画に従い、新たに新規ポリエチレングリコール(PEG)誘導体の合成に着手した。すなわち、両末端にベンジルアセタール基と1級アミノ基を有するPEG誘導体(aceBz-PEG-NH_2)は、4-(ジエトキシメチル)ベンジルアルコキシドを開始剤としてエチレンオキシドのアニオシ開環リビング重合と停止反応におけるメタンスルホニル基の導入を介した一級アミノ基への変換から得られるアプローチとした。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から算出された数平均分子量(Mn)と分子量分布(MWD)は、それぞれ15,200、1.04となり高収率で得ることに成功した。ここで、ブロック共重合体ミセルとするために、aceBz-PEG-NH_2をマクロイニシエーターとして停止末端1級アミノ基からN^ε-トリフルオロ-L-リジン N-無水カルボン酸(lysine(TFA)-NCA)のアニオン重合を行い、ポリリジン誘導体とのブロック化を行った結果、Mn=32,000の高分子が得られた。このとき、MWDは1.13とブロック共重合体としては非常に分布の狭い高分子であることが確認された。また、^1HNMRを用いた構造解析から、ベンジルアセタール基由来のピークが1.2ppmにはっきりとしたシグナルとして観察され、かつPEG主鎖との積分比から得られた末端導入率もほぼ定量的なものを与えた。更に、側鎖のPEG末端ベンジルアセタール基の酸処理からベンズアルデヒド基へ変換したところ、ほぼ定量的に脱保護反応が進行した。このベンズアルデヒド基はアミノ基やヒドラジド基とイミンを形成ずることが知られているため、ブロック共重合体ミセルとしたとき表層に糖やペプチドなどのリガンドを定量的に導入することが可能となる。そこで、実際に、2-アミノエチルラクトースとブロック共重合体のPEG末端ベンズアルデヒド基からイミン形成を介して反応を行ったところほぼ定量的にラクトースが導入できることに成功した。以上の結果から得られたブロック共重合体は、本研究課題の中核である特定細胞への効率的な遺伝子導入を達成できる高性能遺伝子ベクターとして期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)