環境報道と世論の関係性-環境問題の報道と世論潮流に関するマスコミュニケーション過程の社会学/社会心理学的研究
Project/Area Number |
02J08277
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 直也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(CD1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 環境問題 / 公害 / 環境報道 / 環境広告 / 環境情報 / 安全観 / 風評被害 / 予防原則 / 世論 / リスク / 危機管理 |
Research Abstract |
一昨年度は、公害報道・環境報道を阻害する要因・促進する要因についての検討を行い、公害報道・環境報道を送り手側の心理的・思想的背景を分析した。昨年度は、特に市民の環境問題に関する世論の変遷、環境問題への関心の推移、環境問題への心理的認知など、市民の社会心理に焦点をあてて研究を行い、受け手側の心理的背景を分析した。それらを踏まえ、今年度は、道の内容分析を進めた。まず、昨年度から行っている公害問題、環境問題、原子力事故などの新聞記事の収集・整理をすすめ、またニュース映画を収集できる機会を得て、これを含めて分析をすすめてきた。 報道においては環境問題をめぐる社会観として、国家・政治に対しては「行政の施策は信用できない」という不信感が強調され、企業に対しては「安全よりも利益を優先する」という利害観が示される。その上で、1960年代においては「科学技術によりこれらを克服できる」という進歩史観、1970年代からは「自然は潤いや恩恵を与えるものであり、人々が求めるものである」という素朴な環境・自然観が、加味される。内容としては、事件を契機に、(1)事件の発生、(2)原因追求、(3)行政・企業の対応不備(情報隠し、信頼性のなさ)、(4)各地での類似の事例の発生、などが報道されている。また、(1)「異常さ」を示すセンセーショナルな映像・写真が使用され、(2)「人災」の側面が強調され、(3)「犯罪」の対象となるかどうかが示され、(3)人々の不安が強調される。これらは、社会部の扱う事件報道の枠組みの中で推移している。その前提として「安全であるといわれても信じることはできない」という環境安全に関する神話化作用、「安全を守ることができないのは、それにかかわる人間のせいである」という人間の不完全性に焦点をあてた人災化という枠組みがある。 現在は、これらの報道の分析・定型化を進めつつ、昨年度から分析している人々の環境問題に対する心理を再考し、そこに報道や広告というメディアのかかわりを総合的に捉えなおし、学位論文を執筆中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)