視蓋/小脳の発生・分化におけるFgfシグナル伝達経路の解析
Project/Area Number |
02J10720
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 達也 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 中脳胞 / 後脳胞 / 視蓋 / 小脳 / Fgf8 / シグナルトランスダクション / ERK / 神経管 |
Research Abstract |
鳥類以下の脊椎動物では中脳胞背側から視覚の中枢である視蓋が分化し、菱脳胞の最も前側の後脳胞背側からは小脳が分化する。ニワトリ胚を用いた移植実験により中脳/後脳境界領域(峡)は視蓋/小脳のオーガナイザーとして働き、その本体はFgf8だと考えられている。私のこれまでの研究により、峡部周辺の神経上皮では、Fgf8シグナルが強いときにはRas-ERK経路が活性化され、小脳が分化するのに対し、Fgf8シグナルが弱いときにはERK経路が活性化されずに、視蓋が分化することが明らかとなった(Sato et al.,Development 128,2461-2469,2001、および、平成14年度の結果)。優位抑制型Rasの強制発現によりRas-ERK経路を遮断すると、後脳胞背側から小脳が分化せずにかわって異所的な視蓋が分化した。平成15年度は、優位抑制型Ras(RasS17N)を強制発現したときの様々な遺伝子マーカーの発現変化を調べた。RasS17Nを強制発現すると、後脳胞において中脳マーカーOtx2の発現が誘導され、後脳マーカーのGbx2の発現が消失した。Eh1/2、Pax2/5、Fgf8はお互いにその発現を誘導し、峡部のオーガナイザー活性が維持されるが、RasS17Nの強制発現によってそれらの発現がすべて細胞自律的に抑制された。次に、Fgf8aおよびFgf8bのin vivoでの役割について調べるため、siRNAを用いてアイソフォーム特異的に発現を低下させる実験を行った。すると、Fgf8b-siRNAではERKのリン酸化が低下し、Otx2の発現が後脳胞までシフトした。Fgf8a-siRNAではERKリン酸化ならびにOtx2の発現に変化がみられなかった。したがって、Ras-ERK経路を活性化し小脳を分化させているのは、Fgf8bアイソフォームであることが明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)