『近代的』になること:公立小学校/教員とフィリピンの国民形成、1900-41
Project/Area Number |
02J11135
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小坂 史子 (内山 史子) 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | フィリピン / アメリカ統治 / 教育政策 / 公立小学校 / 近代化 / 国民形成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アメリカの植民地体制下(1900-41)で進行したフィリピンの国民形成の特質を、地域社会における公立小学校および教員に焦点を当て、明らかにすることである。本年度は、引き続き、1)地域社会の人々の目に映った学校の姿、また教員の目から見た地域社会の姿を多面的に描くこと、2)地域社会における教員の位置付けと役割を明らかにすることを目標とした。 1)については、すでに収集済みのアメリカ人教員・行政官が残した書簡や学校視察報告等の分析を進めると同時に、新たにウェブ上でも閲覧可能となった写真資料等の収集を行ったが、そのほとんどはアメリカ人が撮影したものであった。また、米国の公的機関(調査、2005年3月14日-24日)に残された文書資料にもフィリピン人教員が残した記録は無く、この資料的偏りをどう克服するかは今後も課題となるだろう。 2)については、旧フィリピン師範大学同窓会において聞き取り調査を行うべく準備を進めたのだが、連絡の困難等により年度内に間に合わず、フィリピンでの調査は断念し、米国国立公文書館と議会図書館における調査のみとなった。米国調査では、アメリカ人教員の採用記録やフィリピン政府の公務員名簿等から、教員の出身地や給与等がいくらか明らかになったが、1900年から41年までを網羅するだけの資料は無い。また、教員の社会的背景を明らかにするには、さらなる調査が必要であろう。 現在までに収集した資料からは、米国統治初期のフィリピンの地域社会において「近代化」を体現する存在と見なされたアメリカ人教員たちには20歳前後と極めて若く経験の浅い教員が多かったこと、フィリピン人たちは彼らの「教え」だけでなく生活様式や考え方全般から「近代的」な知識や考え方を吸収していったこと、また英語とともに技術・家庭科・学校菜園といった実業教育が「社会と人の近代化」のために重要視されていたことが明らかになった。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)