担子菌コプライナスの減数第一分裂前期に機能するDNA複製関連蛋白質群の解析
Project/Area Number |
03J01278
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
遺伝
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
行川 賢 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヒトヨタケ / コプライナス シレネウス / 減数分裂 / RNAi / LIM15 / DMC1 / 減数分裂期組換え / 減数第一分裂前期 / コプライナス / DNA ligase I / DNA polymerase α / DNA ligase IV / Flap-endnuclease 1 / RNA interference |
Research Abstract |
コプライナスでは相同組換えによる遺伝子抑制が困難であるため、逆遺伝学的解析が困難であった。そこでdsRNAによる遺伝子抑制を試みたところ、減数第一分裂前期に特異的なLIM15/DMC1遺伝子の抑制に成功した。具体的には、β-チューブリンプロモーターの下流に、減数分裂特異的な組換え酵素のLim15/Dmc1のcDNAがアンチセンス鎖、センス鎖とinverted repeatになるよう連結したベクターをコプライナスに導入することで、LIM15mRNAの発現を特異的に抑制した株を複数得て、そのうちの一系統であるLIM15抑制株(#2)について表現型を調べた。LIM15抑制株(#2)ではDAPI染色による観察の結果、減数第一分裂時に異常がおき、胞子形成数がwildに比べて低下するものの、出来てきた胞子は60%くらいの割合で生存可能であった。LIM15抑制株(#2)を正常型の一核菌糸株(5337株)と交配し、dsRNAコンストラクトをヘテロに持つキノコ(#2×5337)を作成したところ、#2と同様の表現型を示すことから、片側の核由来のdsRNAコンストラクトはヘテロ接合体でも効果を持ち、dsRNAはもう片方の核の遺伝子座にも影響することが示唆された。これらの結果より、dsRNAにより遺伝子発現が抑制されたことから、担子菌コプライナスにおいてRNA interferenceに類似の機構が存在することが考えられた。この結果は、コプライナス研究で特定の遺伝子の抑制としては初の成功例であった。また、担子菌類ではクリプトコッカスでRNAiの報告があったが^<14)>、コプライナスなど約90%のきのこの仲間が属する真性担子菌類では、初めてのdsRNAによる遺伝子抑制例であった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)