Project/Area Number |
03J02123
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
神経化学・神経薬理学
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩倉 百合子 新潟大学, 脳研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 上皮成長因子(EGF) / ErbB1 / ドーパミン / 線条体 / ドーパミン性神経細胞 / 中脳 / EGF / シェディング |
Research Abstract |
上皮成長因子(EGF)を初めとする細胞増殖因子は、中枢神経系において、その受容体(ErbB1〜4)と共に広く発現している。それらの脳における役割としては、ドーパミン性神経細胞等に対する神経栄養因子的な作用があることが示唆されている。本研究の目的は、脳内に存在するEGFが、どのようにして神経細胞における機能的な回路の発達を制御しているのかを解明するものである。平成16年度の目標としては、ドーパミン性神経細胞の核である中脳黒質と、その主要な投射先である線条体に着目し、(a)線条体神経細胞におけるドーパミン刺激によるEGF/ErbB1シグナルの制御、(b)中脳ドーパミン性神経細胞におけるEGFによる栄養因子的作用の解明、について重点的に研究を行ってきた。それぞれの研究結果の概要は以下に示す通りである。 (1)線条体神経細胞においては,ドーパミン刺激によりEGF放出量が増加しており、EGFの線条体神経細胞への強制発現実験でも同様の傾向がみられた、また、同刺激により実際にErbB1のリン酸化レベルも上昇する事が認められた。 (2)ヒトパーキンソン病患者の線条体ではEGF量及びErbB1量が減少しており、6-OHDAでドーパミン性神経細胞を障害したモデルラットにおいても同様の減少が見られた、また、このモデルラットの線条体にEGFを投与すると、ドーパミン性神経細胞への障害が軽減する事が認められた。 (3)EGFは中脳ドーパミン性神経細胞に対して神経突起の伸展を増加させるだけでなく、濃度依存的にドーパミンの取り込みも上昇させた。また、ErbB1ノックアウトマウスにおいては中脳におけるドーパミン性神経細胞の割合が低く、生後にErbB1の特異的な阻害剤(PD153035)を投与したラットにおいても、線条体に投射されるドーパミン性神経細胞の発現が低下していた。 本年度の研究成果のうち、(1)に関しては2004年北米生化学・分子生物学学会例会、(2)に関しては第27回日本神経科学学会及び第34回北米神経科学学会において一般演題として発表された。さらに、(2)に関しては国際誌Journal of Neurochemistryに論文掲載が決定しており、(1)(3)に関しても現在論文として公表するべく、まとめを進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)