中枢性麻酔薬のクロライドホメオスターシスを介するGABA作動性神経伝達調節作用
Project/Area Number |
03J02777
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
神経・筋肉生理学
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
村木 純偉 (山本 純偉) 浜松医科大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | midazolam / GABA / nicorinic / acetylcholine / translocation / hypnotics / presynaptic / insertion / ニコチン性アセチルコリン受容体 / プレシナプス / 大脳皮質 / ミダゾラム |
Research Abstract |
ベンゾジアゼピン(BZP)薬ミダゾラム(MDZ)の実験を行った。生後約2週のラットの脳スライス標本を作成し、大脳皮質体性感覚野大脳皮質の錐体細胞にホールセルパッチクランプを行いMDZのシナプス前作用を調べた。また、顕微鏡下で大脳皮質第V層のスライス標本表面でガラス管を振動させニューロンを機械的急性に単離した。これら錐体細胞表面のα7 nACh受容体を蛍光色素でラベルし、共焦点顕微鏡で観察を行った。大脳皮質第V層ではMDZ 1μMの灌流投与により微小シナプス後電流(mIPSC)の頻度が増加した。しかし、他のBZP系薬物ではmIPSCの頻度は増加せず、BZPの拮抗薬の投与によっても抑制されなかったことからシナプス前のGABA_A受容体以外を介した機序であることが示唆された。MDZによるmIPSC頻度増加作用はα7 nACh受容体阻害剤により抑えられた。しかし、ニコチン単独ではmIPSCの頻度は増加しなかったことから、MDZによりα7 nACh受容体が細胞膜へ誘導され、内因性アセチルコリンによりGABAの放出頻度が増加したのではないかと考え、機械的急性単離した錐体細胞にα7 nACh受容体に特異的に結合する蛍光色素でラベルしたAlexa488 αブンガロトキシンを用いて調べた。その結果、MDZにより有意に細胞表面のα7 nACh受容体が増加するのが観察された。また、シナプス終末に特異的に取り込まれる色素FM1-43で共染色したところその増加したα7 nACh受容体の多くがシナプス終末に存在することがわかった。また、MDZによるmIPSCの頻度増加作用はPKC阻害薬によって抑制され、機械的急性単離細胞を用いた実験でもα7 nACh受容体増加がPKC阻害薬によって抑えられたことから、α7 nACh受容体の誘導にはPKCが関与していることが明らかになった。また、更にMDZによるこの作用はGlutamate作動性神経や大脳皮質の他の層のGABA作動性神経では認められず、GABAニューロンのシナプス後nACh受容体にも作用しなかったことから、大脳皮質第V層のGABA作動性神経のシナプス終末に特異的に見られる現象であることが分かった。以上の結果をまとめ、論文にしCerebral Cortexに受理された(in press)。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)