生体内高分子内の電子、プロトン移動に関する理論的研究
Project/Area Number |
03J02969
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物理化学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 千草 神戸大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 電子移動反応 / 分子動力学法 / タンパク質 / カルシウム結合反応 / 電子状態計算 / 電子移動 / イオン移動 / Jarzynskiの式 / Steered MD |
Research Abstract |
本研究では、最も基本的な化学、生体内反応である電子、プロトン移動反応の分子論的機構を明らかにすることを目的としている。最終年度である本年は、1.タンパク質のダイナミックスがどのように電子移動に影響を与えるのか、2.イオンとタンパク質の結合部位との結合がどのように起こるのかという2つの視点から研究をさらに行うと同時に総括を行った。 タンパク質の電子移動に関して、開発し発展させた手法をいくつかの電子移動タンパク質で適用し、タンパク質の電子移動反応について解析を行った。また、タンパク質のダイナミックスを調べるために、分子動力学法もあわせて行った。本研究では立体構造の異なる複数のタンパク質に本研究で開発した手法を用いる事により、実験結果の再現を可能にし、また、さらなる機構の解明を可能にした。また、昨年度までに開発した計算に加え、今年度はさらに長時間の動力学計算を行い、さらにタンパク質の大きな揺らぎがどのように電子移動に寄与を与えるのかを調べた。現在、この研究で得られた結果に関して、論文をまとめている最中であり、近日投稿予定である。 また、タンパク質の大規模な運動、溶媒である水分子の揺らぎ、そして電荷移動が互いにどのように影響し合い、化学反応を引き起こしているのかを詳細に調べるために、そのモデル系としてカルシウム結合タンパク質であるカルモジュリンのカルシウム結合部位へのカルシウムイオンの結合反応を取り上げた。本研究では(1)結合反応に沿って溶媒である水分子、結合部位、それぞれがカルシウムへの相互作用をどのように変化させるのか、(2)結合部位のゆらぎがどのように変化するのかに特に注目し、解析を行った。これらの結果をまとめた投稿論文が、Biophysical Journal誌に採択され、現在印刷中である。(5月に出版予定)
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)