タンパク質機能調節の分子機構の理論研究:構造のやわらかさとアロステリック効果
Project/Area Number |
03J03132
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物物理学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
古賀 信康 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アロステリック効果 / F1-ATPase / 分子動力学シミュレーション / 折れたたみ / 折れたたみモデル |
Research Abstract |
タンパク質の機能調節に重要なメカニズムのひとつである「アロステリック効果」の研究を行った。モデルタンパク質として、モータータンパク質であるF1-ATPaseを用いた。このタンパク質は、マルチサブユニットからなり、あるサブユニットのATP加水分解によって誘起される構造変化が、そのサブユニットに隣接するサブユニットに影響を与えることよって、1、隣接するサブユニットのATP加水分解能を協同的に変化させ、2、中心のサブユニットを回転させている。1、2にみられるアロステリック効果を、折れたたみモデルに基づいた粗視化モデルを構築しシミュレーションを行うことで、明らかにしようと試みた。F1-ATPaseは、中心に回転子であるγサブユニットが存在し、その周囲をα・βサブユニットがそれぞれ3つずつ取り囲むように構造を形成している。シミュレーションの結果、回転を生み出すアミノ酸群を特定し、ATP加水分解に伴うβサブユニットの開閉運動が、いかにして中心のサブユニットの回転運動を誘起しているのかを明らかにした。さらに、回転触媒機構として、3つのβサブユニットが順に、1.リン酸解離、2.ATP結合・ADP解離(2つの反応はカップルしている)、4.ATP加水分解、の順で反応が起こり、その結果2つのサブステップを生み出していることを明らかにした。つぎに、γサブユニットの構造の非対称性が、アロステリック効果に重要ではないかと考え、γサブユニットの構造に着目して、シミュレーションを行った。その結果、回転触媒機構において、ATP結合とADP解離反応がカップルするためには、γサブユニットの非対称構造が重要であることが分かった。上記の研究成果は、Proceedings of the National Academy of Sciences(2006) in pressにまとめた。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)