スリランカ・プランテーションのヒンドゥー祭礼と異民族間に形成される生活圏の研究
Project/Area Number |
03J03156
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 晋介 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スリランカ / プランテーション / インド・タミル / 宗教 / 民族誌 / 文化人類学 / 民族史 |
Research Abstract |
本研究は、スリランカ中央州キャンディ県のプランテーション地域に居住するインド・タミルと近隣シンハラ村落住民との間に形成される生活圏を対象とし、宗教実践を含む両住民の日常における実践的交流というミクロ領域への着眼を通じて、民族和平プロセスの進展等のマクロ政治・経済領域の展開をボトムアップで把握する試みの一環としての位置づけを有している。 前年度の対象生活圏における経済・政治権力・地位の三位相における複合的ヒエラルキー構造の分析から、本年はよりマクロの領域に踏み込んだ研究を行った。ミクロからマクロへの接合点に位置づけうる二つの問題、及びミクロレベルのデータ分析に一点、それぞれ論文の形で取り組んだ。前者に関しては、第一にインド・タミルという「民族(jati)」の存在様態に関する基礎理論的論考をまとめ、「スリランカにおけるインド・タミルという『民族』:その『想像の仕方』に関する一考察」(『筑波大学地域研究』22号)として公表した。第二にインド・タミル市民権問題という、スリランカにおける20世紀来のマクロの政治的懸案事項を焦点に、人類学的民族論とミクロのデータをクロスさせた論考を執筆した(「『名』をめぐる係争と市民権問題:スリランカのエステート・タミルの事例」(『アジアの宗教運動と市民社会 共同研究報告』第1号、印刷中)。また、第三点目は、本研究のもうひとつの柱であるミクロレベルの日常の宗教実践に直接関わるテーマとして、インド・タミルの成女儀礼のデータ分析を行った。これにより従来の規範的親族イデオロギーから調査地独自の「生活の論理」(=マクロレベルの変動を直接被る「生活の場」の論理)への転換を儀礼の実践プロセスに見出していくことが可能となった(「プランテーションにおける『長屋』の成女儀礼の実践:『女性の花婿(the female bridegroom)』を焦点として」『族』36号印刷中)。これらの成果は次年度学会報告等を行いさらに議論を深化させていく所存である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)