Project/Area Number |
03J03430
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
無機化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 裕美子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヒドラジン / 多核ポリヒドリド錯体 / 窒素 / 水素 / ポリヒドリドクラスター |
Research Abstract |
本研究では、温和な条件下での窒素活性化を目指し、「水素供与能」「多電子移動能」を有する多核ポリヒドリド錯体を用いて窒素分子および窒素還元体であるヒドラジンの活性化に取り組んだ。 初年度には、中性三核ルテニウムペンタヒドリド錯体1を用いることで、置換ヒドラジン類の触媒的水素化が達成されることを見出した。また、詳細な検討により、錯体1の三核反応場における三つのルテニウムの協同作用により、ヒドラジンのN-N結合が効率よく切断されることを明らかにした。 ヒドラジンの水素化反応は、錯体1によるヒドラジンのN-N結合切断過程と、その結果生成するイミド錯体の水素化分解に大きく分けられる。本年度は、反応の後半段階であるイミド錯体の水素化機構を詳細に調べた。モノイミド錯体2の水素化反応は、アミド中間体3を経て、アミド配位子をアンモニアとして脱離させることで錯体1を再生する。重水素を用いた標識実験では、アミド錯体3のヒドリドが高選択的に重水素化されたことから、水素分子は錯体2の金属上に酸化付加することが示された。さらに、計算化学的手法を用いて反応機構を詳細に調べ、水素分子はイミド配位子の反対側に広がるルテニウム三核反応場へ取り込まれることを明らかにした。 本年度は種々のポリヒドリド錯体と窒素分子の反応を積極的に検討し、カチオン性四核ルテニウムヘプタヒドリド錯体4は常圧の窒素と反応してN≡N結合を切断し、二核ルテニウム架橋ニトロシル錯体を生成することを見出した。この反応では、窒素分子が錯体4の四つの金属から電子を供給されることにより、窒素の還元反応で最も困難なN≡N結合の切断が達成されている。このような実験事実は、電子豊富なポリヒドリド錯体が窒素の還元に効率良く働くことを示すものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)