Project/Area Number |
03J04655
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
大域解析学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 和俊 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 複素力学系 / 双曲力学系 / 多重ポテンシャル論 / 正則写像 / エルゴード理論 / Stein多様体 / 有理写像 / ファトウ集合 / 正規族 |
Research Abstract |
高次元複素力学系において分野全体の発展に大きな影響があると思われる、複素射影平面上の正則力学系の基礎的研究を行った。これは、前年度における研究の直接的な継続である。前年度は、写像の分岐点の軌道に着目した大域的な力学系的性質の研究を行い、分岐点の軌道に伴うある不変集合上に双曲性を課す「critically hyperbolic」という概念を導入した。この条件を仮定すると、Fatou集合やcritial limit setの上の力学系構造が記述できる。本年度は、この概念を用いた研究を行った。私の長期的な研究目標の一つとして、critical hyperbolicityから公理Aが導けるかどうかを解明することが挙げられるが、本年度は、この問題を特別な場合に解決した。分岐点の軌道全体が解析的集合になっているとき、その写像はcritically finiteとよばれる。そのような写像の場合に、critical hyperbolicityと公理Aが同値であることが証明できた。さらに、よりチェックしやすい別の同値条件も得ることができた。この成果は、この問題を一般の場合に解決する上で、多くのヒントを与えるものと思われる。なお、問題解決の過程で、最大エントロピー測度と反発的周期点全体との間の関係について、興味深い結果を得た。複素1次元の力学系の場合、反発的周期点の集合の閉包は、最大エントロピー測度の台と一致する。しかし、高次元の場合、一般には一致しないことが、具体例によって、早くから知られている。今回、これら2つの集合が一致するための十分条件を得ることができた。具体的には、critical limit setがpluripolarであるとき、この2つの集合が一致することを証明した。このように、(単発の具体例ではなく)ある程度まとまった形で十分条件を与えたのは、世界で初めてである。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)