Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
この研究の主要な目的は,日本人における自己認知を探ることであった(当初の目的は,自己認知と精神的健康との関連性を探ることであったが,精神的健康に限定するのではなく,広い意味での適応や学業達成との関連性も検討することによって,日本人の自己認知を探ることにした)。 本年度は,前年度に引き続き,自己認知に重要な影響を及ぼすと考えられる"社会的比較(自己と他者を比較すること)"に焦点を当てて,社会的比較が中学生の学業達成(学業成績の向上)に及ぼす影響について検討した。その結果,これまで社会的比較の先行研究で指摘されてきたように,社会的比較が生徒の学業成績の向上に与える影響はポジティブなものばかりではなく,また,以前の達成目標理論において指摘されてきたように,他者との相対的比較が学業を阻害するものばかりではなく,社会的比較の効用は,周りの友人と何を比較するのかといった比較する対象や,教科,および学業コンピテンスといった動機づけによって異なってくることがわかった(→現在,成果を雑誌に投稿中である)。 さらに,中学生の学業成績に影響を及ぼす社会的比較の因果プロセスについて検討するために,状況および個人差要因が,社会的比較に伴う感情,その後の行動を媒介にして,学業成績に影響を及ぼすという因果プロセスモデルを検証した。その結果,自分より優れた他者と比較する社会的比較には,学業成績の高さに結びつくプロセスと,逆に学業成績の低下につながるプロセスの両者があり,社会的比較は,適応的な結果と不適応的な結果の両方を備えもち,社会的比較は複雑な恩恵をもっていることが示唆された(→現在,成果を雑誌に投稿中である)。
|