Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
はじめに,卵子減数分裂の進行におけるメカニズムを明らかにする目的で,ブタ卵子の減数分裂再開時におけるプロジェステロンレセプター(PR)に関して検討を行った.その結果,AタイプPR(PR-A)およびBタイプ(PR-B)は拮抗的な作用を持ち,これら二つのPRの発現によって減数分裂の再開が制御されていること,PRのantagonistで処理するとADAMTS-1の発現が抑制され,減数分裂再開時に生じる卵丘細胞の膨潤が抑制されることを明らかにした.また,初期胚発生過程におけるメカニズムを解明する目的で,ブタ卵子をモデルとして卵子活性化機構について検討を行った.その結果,卵子活性化時に生じる細胞内カルシウムイオンはカルモジュリン依存性リン酸化酵素(CaMKII)を活性化させ,成熟促進因子(p34^<cdc2> kinase)の制御因子であるcyclin Bを減少させることが明らかされた.一方,CaMKIIの活性化はMAP kinaseの不活性化には関与しておらず,プロテインキナーゼCの活性化により誘起されることも明らかにされた.さらに,この活性化時におけるMAP kinaseの不活性化時期は,減数分裂の完了に伴う第二極体の放出と密接な関係を持つことも明らかにした. さらにこれらの知見を元にして,現在最も作製が難しいと考えられている体細胞核移植を用いたクローンラットについて検討を行った.その結果,体細胞核移植に伴って卵子内に誘起される現象である早期染色体凝集(PCC)が,ラットではほとんど誘起されないこと,またその原因としてラット卵子内のp34^<cdc2> kinase活性がマウスに比べて潜在的に少ないことが明らかとなった.さらに薬剤処理によりp34^<cdc2> kinaseの活性化を人為的に促すことにより,PCC誘起率を改善できることも明らかにした.
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