Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
最終年度の本年は,これまで蓄えられた観測データを基にした研究成果のまとめを主とした.一方,多くの共同研究者が関わるプロジェクト研究として,今後も観測研究が継続される事となったため,同時進行でこれまでの観測の継続も行った.得られた知見を包括的に統合し,さらに発展させるため今年度の大半はロシア・モスクワ大学の凍土学研究部門に在籍し,研究を進めた.計画2)の森林サイト,伐採地,火災跡地においてのフラックス測定および活動層の観測は,本年度に至り,伐採実験地で森林伐採後5年目,火災跡地では火災後4年目の観測に対応する. 表面攪乱を受けた実験地では,昨年度に続き表面植生の回復が継続した.このため,地表面における熱・水輸送の特徴も昨年と同様であった.実験伐採地では,昨年度に引き続き地表面が冠水し,その面積も増加した.真夏から終期にかけて非常に大きな降水量が観測されたことが主な原因となり,対象地域全体の凍土融解深が増加したことは,今年度新たに得られた知見である.この年変動による降水量の変化が土壌水分量の変化,ひいては凍土融解深に及ぼす影響を地表面状態の攪乱による影響から分離して評価するための解析的計算を実施中である. モスクワ大学地質学部地球雪氷学科での在外研究中には,当初の研究目的を達成するために必要な情報の収集と,すでに得られている観測データを基に研究成果をまとめる議論を,ロシア側の多くの研究者の協力を得て,約1年間行った.観測データの解析結果の発表は,まず,昨年度投稿中であった伐採実験後2年目の対照区と伐採地における活動層エネルギー収支解析および水収支解析の結果を比較したものを公表した.これに続き,地表面のエネルギーバランス観測の解析結果についての論文を準備中である.ロシアでの凍土学の蓄積が予想以上に多く,本研究の目的をより高いレベルで実現するためにはさらに時間を要することは否めない.
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