Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
光センサーとして機能する古細菌型レチナール蛋白質,ファラオニスフォボロドプシン(ppR)では,機能発現時の構造変化に蛋白質内プロトン移動が伴うことを,これまでに我々は明らかにした.そこでppRのプロトン移動を,電気生理学的手法によって電流として捉えることを試みた.電気生理学的測定を適用するために,アフリカツメガエル卵母細胞におけるppRの発現系を構築した.ppRのmRNAをインジェクション後3〜5日目の卵母細胞に光照射を行うと,微弱な外向き電流が観測された.この電流は,ppRの構造変化速度を加速するazideを添加すると増大したことから,ppRの構造変化に伴う蛋白質内プロトン移動を電流として捉えたものと考えられる.これまで古細菌型レチナール蛋白質の電気生理学的データは分光学的データと比較して少なく,本成果をさらに進展させれば別視点から蛋白質構造変化を捉えることが可能になる.また,蛋白質の表面構造・構造変化を簡便に検出する方法の開発も試みた.具体的には,対象とする蛋白質で系統的にシステイン導入変異体を作製し,システインのチオール基と金との反応性から変異導入部位の表面露出性を評価した.新奇な点は,金としてガラス基板上の金薄膜を用い,金-チオール反応の検出に表面プラズモン共鳴シグナルを用いた点である.実際この方法を立体構造既知のカリウムイオンチャネルに適用したところ,チャネルの開閉に伴う大域的な構造変化を検出することができた(現在投稿中).これらの方法をppRやその類似蛋白質に包括的に応用し,各蛋白質の特性をより多面的に捉えれば,古細菌型レチナール蛋白質の機能分化に重要な特徴を明らかにできると考えられる.
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