Project/Area Number |
03J09850
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生態
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
道前 洋史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | エゾサンショウウオ / エピジェネティック発生過程 / 表現型可塑性 / 母性効果 / 卵サイズ / Broad-headed morhp / 形質相関 / 形質相関の可塑性 / エゾアカガエル |
Research Abstract |
近年報告されている表現型可塑性は、自然選択の対象となり、多様な環境変化への生物の適応的反応と解釈されている。北海道に生息する有尾両生類エゾサンショウウオでは、その幼生期間に頭部顎軟骨が著しく肥大した可塑的形態Broad-headed morphが誘導される。この形態の誘導要因はエゾサンショウウオ幼生にとって大型餌動物である同種幼生やエゾアカガエル幼生の高密度化である。この事実はBroad-headed morphが大型餌動物の効率的捕食への適応的反応であることを示している。したがって、集団間での選択圧の違いがBroad-headed morph発生率の変異を引き起こすことは容易に推測される。事実、異なる幼生密度の集団間でBroad-headed morph発生率が大きく異なっており、幼生密度が高い集団ほどBroad-headed morph発生率が高いことを示した。しかし、同時に卵サイズを調べ解析した結果、Broad-headed morph発生率は卵サイズに依存したものであった。すなわち、Broad-headed morph発生率の集団間変異は、卵サイズの変異に依存したものであった。卵は多くの母性因子を含むことから、そのサイズがエピジェネティック発生過程を通じて後の形質発現に大きな影響を与えることが知られている。本研究では、卵サイズと可塑的形質がエピジェネティック発生過程を通じて強く相関しているため、可塑的な反応性に制約がもたらされることを初めて示した。この研究結果については、投稿中を含め学会誌に3報、学会発表に3回報告した。
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