ヘリコバクター・ピロリ菌感染を起点とする胃癌発症の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
03J10023
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
病態医化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堤 良平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 微生物 / ヘリコバクター・ピロリ / シグナル伝達 / 癌 / 感染症 |
Research Abstract |
Helicobacter pylori感染は様々な胃粘膜病変発症の原因とされ、中でも病原因子cagA遺伝子陽性株の感染は疫学的研究より胃癌発症との強い相関が知られている。cag4遺伝子産物CagAは胃上皮細胞に直接進入する菌体由来のタンパクで、細胞内での生物学的役割が注目されている。CagAは細胞内でチロシンリン酸化を受け、細胞内チロシンホスファターゼSHP-2とリン酸化依存的に複合体を形成し、活性化する。高いSHP-2活性化能を持つCagAを産生する菌株の感染は、より激しい胃粘膜傷害性を示すことから、CagA-SHP-2複合体による細胞内情報伝達系の撹乱は各種胃粘膜病変発症に深く関与していることが示唆されている。このCagAによるSHP-2を介したシグナル異常により、胃上皮由来AGS細胞においてhummingbird表現型と呼ばれる特殊な細胞形態が誘導される。 申請者は、このhummingbird表現型を指標としてCagA-SHP-2複合体により異常が惹起される細胞内シグナル経路の解明を目指し、昨年度までにCagA依存的なhummingbird表現型の誘導は、Ras、PI3K、p38、JNKには非依存的である一方、MEK-Erk経路に依存していることを明らかにした。 本年度は、CagAがSHP-2の活性化を介して、細胞接着の制御に重要な役割を果たしているチロシンキナーゼFAKの脱リン酸化を亢進することを明らかにし、脱リン酸化に伴うFAKキナーゼ活性の抑制はhummingbird表現型の誘導に際し重要な役割を担っていることを示した。さらに、細胞内においてFAKがSHP-2の細胞内基質分子であることを示し、近年発癌との関連が報告されているSHP-2活性化に依存した情報伝達機構の解明に重要な知見を得た。また、分子構造の異なる複数のCagAの機能解析を行い、CagAと胃上皮細胞内標的分子の相互作用におけるCagAの分子多型の意義を解明した。これらの研究成果はいずれも権威ある国際学術雑誌に発表されている。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)