過冷却液体のガラス転移における長距離密度揺らぎの時空間スケーリング
Project/Area Number |
03J10060
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 美加 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 過冷却液体 / ガラス転移 / 光散乱 / 相関長 / スケーリング / 時空間相関 / 密度揺らぎ |
Research Abstract |
単成分のガラス形成物質において、理論的予測よりもはるかに大きいレイリー散乱強度が観測され、温度の低下とともに散乱強度が増大することが知られている。このことから、温度の低下に伴って増大する空間スケールが存在すると考えられており、Fischer clustersと呼ばれている。この散乱強度の波数依存性はオルンシュタイン・ゼルニケ式に従い、空間スケールの値は数百ナノメーター程度と極めて大きい。一方、Fischer clustersは、一般に密度揺らぎの緩和とされている構造緩和よりも数桁も遅い時間スケールをもつ。このことは、単成分物質にあっても、熱揺らぎとは別の起源をもつ密度揺らぎが存在することを示唆する。 本研究では、このFischer clustersの起源が、最近報告されている液体-液体相転移に伴う臨界ゆらぎではないかと考え、両者の関係性を調べるため、動的・静的光散乱実験を行ってきた。液体-液体相転移が報告されている亜りん酸トリフェニル(TPP)において、Fischer clustersと類似した現象を観測し、その空間スケールの温度変化がTPPの液体-液体相転移と強く関係することを示唆する結果を得た。空間スケールは、TPPがスピノーダル型相転移を起こす際のスピノーダル温度付近で急激に増大する。また、普遍性を調べるため、液体-液体相転移を示す他の物質として、1-ブタノールにおいて実験を行った。その結果、1-ブタノールにおいてもFischer clustersが存在することがわかった。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)