Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究では,生体膜を構成する両親媒性分子を対象に,ミクロスケールの動力学(例えば分子動力学法)からの情報を抽出し,よりマクロスケールでの動力学(ブラウン動力学,DPD法など),あるいは生体膜の連続体モデルに還元することによって,生体膜のマルチスケールモデル,シミュレーション手法を構築することを目指し,研究を行っている.最終年度となる今年度では,マルチスケールモデルの実証,方法論の構築に主眼を置いて研究を行った.昨年度までに,粒子描像でのマルチスケール手法(主にDPD法)の検証を行ってきたが,系の拡大による計算時間が依然として残り,また相互作用モデルのミクロスケールからの構築法に物理的意味づけが乏しいといった問題点があった.そこで,平均場近似を用いた場的な解析手法および限定的な範囲に粒子描像を用い,それ以外は連続体として扱うハイブリッド手法の可能性を検討した.その結果,平均場近似を用いる手法は,分子ポテンシャルのモデルをそのまま用いることができるというメリットがあるが,あくまで近似手法であるため,その部分でいかなる影響があるかを評価することが難しい.またダイナミクスの解析に用いるためには,未だいくらかの問題がある.これに対し,ハイブリッド手法を用いる方法論では,境界領域の取り扱いにいくらかの問題点を持っているが,溶媒の大部分を連続体として取り扱えるため,高速化という面でも非常に優位であることがわかった.また,MD法との比較を行った結果,非常によい一致を示していることが明らかになった.
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