サンゴ年輪解析によるインド洋ダイポール変動の長期的復元
Project/Area Number |
03J11732
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
環境動態解析
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯嶋 寛子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | サンゴ年輪 / ダイポール変動 / 放射性炭素 / 湧昇 |
Research Abstract |
本研究は、インド洋ダイポール変動の特性を解析することを目的とし、造礁サンゴ骨格年輪の分析から、西インド洋の過去数十年の湧昇・海流、水温、降水量変動等の海洋環境を復元する。本年度は、塩分の指標である海水酸素同位体比の見積もりについて評価を行い、ケニア東岸域の塩分変動を復元した。 サンゴ骨格の酸素安定同位体比は、水温と海水の酸素同位体比によって決まる。海水の酸素同位体比は塩分と比例関係にあるため、サンゴ酸素同位体比から水温の影響を差し引くことで、塩分変動を復元することができる。サンゴ骨格年輪を用いた塩分復元については、西太平洋熱帯域のパラオについて、復元した海水酸素同位体比と、海水実測により得た海水酸素同位体比および塩分を比較することにより、サンゴ骨格年輪が古塩分計として有用であることを示した[Iijima et al.,2005]。海水酸素同位体比の算出に必要となるサンゴ酸素同位体比と海水温、海水酸素同位体比との関係は、様々な地域について報告されているが、海水酸素同位体比の影響(特に季節変化)について考慮した研究は少ないため、その傾きは地域によるばらつきが大きい。本研究では、海水酸素同位体比のかわりに比較的観測の多い塩分の値を代入することで、関係式の見積もりを行った。より一般的な関係式を求めるために、研究報告例の多い熱帯太平洋を対象とし、サンゴデータベースの値を利用して傾きを求めた。この結果を利用し、ケニア東岸で採取したサンゴの酸素同位体から海水の酸素同位体比変動を復元した。復元した海水酸素同位体比は、年2回のピークをもち、これは降水量変動(春と秋の雨)と一致することが示した。ダイポール変動は、東アフリカの秋季に正の降水量アノマリーとして現れており、特に強いダイポール変動が起こった1997年の降水量増加が、海水酸素同位体比の異常として記録されていることがわかった。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)