Project/Area Number |
03J52241
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関根 康人 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | タイタン / 有機物エアロゾル / 原始太陽系円盤 / 大気化学 / 原始地球 / Fischer-Tropsch反応 / 化学進化 / 表面反応 / メタン / 触媒反応 / 水素循環 / カッシーニ・ホイヘンス探査 / 化学実験 / 大気の起源 / クラスレート・ハイドレード / 原始ガス惑星円盤 |
Research Abstract |
タイタンは土星系最大の衛星であり、窒素とメタンに富む厚い大気を持っている。この大気組成は、原始地球大気の組成に近いと考えられ、タイタン大気の起源・進化を調べることは、原始地球の大気や生命の起源を考える上でも重要と考えられる。本研究では、固体微粒子の触媒反応に注目し、タイタン大気の起源と進化を明らかにすることを目的に研究を行った。 タイタン大気のメタンの起源を考える上では、原始ガス惑星円盤における主成分である一酸化炭素からメタンが生成する反応が重要になる。Fischer-Tropsch触媒反応は、金属表面で一酸化炭素と水素からメタンが生成される反応である。本研究では、ダストとガスからなるガス円盤を模擬した条件において実験を行い、触媒反応によるメタンの生成率を測定した。その結果、温度が600K以上では、触媒表面の炭素がグラファイト化し、生成率が低下することが分かった。そのため、ガス円盤におけるメタン生成は、温度が550K付近の領域において進行することが分かった。この結果は、触媒反応によってガス円盤にメタンに富む領域ができ、そこで生成した微衛星が、タイタン大気におけるメタンの供給源として重要であったことを示唆する。 現在のタイタン大気には、有機物エアロゾルが存在していることが知られている。このエアロゾルは大気中の水素原子と何らかの化学反応を起こすことが予想されるが、これを実験的に確かめた例はない。本研究では、エアロゾル模擬物質に水素原子を照射する実験を行った。その結果、この表面反応は、エアロゾルの水素化反応と水素分子生成反応から成り立っていることが分かった。また、それらの反応率を実験的に求めた。これらの反応率をタイタン大気モデルに組み込んだ結果、エアロゾルとの表面反応によって、大気中の水素原子が効率的に除去され、メタンから複雑な有機分子への化学進化が促進されることが分かった。
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