Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究は,都市建築ストックに関する更新技術の一手法として既存住宅建築物の改修において単なる外壁補修・塗替え等だけではなく,今後の長期的な建築の維持及び景観の向上,エイジング(年月の経過に伴い景観的な質が向上する働き)を考慮し,新たな価値を創出する外装美観の改善手法を提案することを目的とし,特に築後30年以上経過している団地型公共集合住宅を対象として外装改修計画を検討した。 平成16年度は,れんが風仕上に関して既存中層箱型集合住宅の仕上の改善シミュレーション画像を作成し官能検査を行った。その結果,以下のことが示された。 エイジング効果が認められやすく,素材固有の色彩や小さな目地のため素材感が認識されやすいれんが風仕上は,外装仕上材料の色彩特性を考える上で様々な要因が考察でき,有効であると思われる。エイジング評価に関するキーワードとしては,古さ,落ち着き度,好ましさがあげられ,その評価項目の関係により考察が可能である。 れんが風仕上の長期建築物の外壁を考える上で,経年変化等によって最終的に古く,落ち着きがあり好ましいと評価される色彩になるものや,低明度・低彩度の色彩特性の状態を使用することが好ましいと考えられる。また,新しく好ましいと評価される比較的明度が高いれんがに関しては,維持管理を行うことで好ましさを保つ必要があり,高明度配色のれんがを使用する際には集中度を低くし,黄みの赤(yR)や黄赤(O)の色相のものを選択するとよいと思われる。建築物の外壁は,劣化・変退色等を避けられないため,明度および彩度の低下(変退色)においても好ましさを得ている黄みの赤(yR),や黄赤(O)の中明度・中彩度のれんがが適していると考えられる。また,目地の色は古さに影響を及ぼし,れんがの配色の偏り(集中度)や配列,目地の種類が落ち着き度および好ましさに影響するため,材料選定の際に考慮に入れることが望ましいと思われる。
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