Project/Area Number |
03J61521
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物系薬学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名黒 功 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | L型カルシウムチャネル |
Research Abstract |
カルシウムチャネルから流入するカルシウムイオンは細胞の増殖、分化、遺伝子・蛋白質の発現など様々な生理機能に必須のシグナル分子である。近年、カルシウムシグナル伝達機構の異常に伴う細胞増殖の亢進や分化度の変化は発癌、癌の悪性度に関与することが示唆されている。そこで本研究では細胞の分化過程におけるカルシウムシグナルの制御とその役割、特にL型カルシウムチャネルの果たす役割について相互作用蛋白との関係から明らかにすることを目的として以下の実験を行った。 L型カルシウムチャネル(Cav1.2)に結合する蛋白をYeast two hybrid法により胎児のcDNAライブラリーから探索した。そこで同定した結合蛋白には大腸癌の癌抗原の一つが含まれていた。また、この蛋白は胎児の心臓に発現していることを見出し、心筋に分化誘導したES細胞の分化に伴って発現してくることを明らかにした。この蛋白は成熟動物の肝臓、腎臓、精巣に多く発現し、心臓においては心室には発現せず、心房特異的に発現していた。さらに培養細胞発現系の実験にから、この蛋白の発現によりL型カルシウムチャネルの電気生理学的性質が変化し、カルシウム流入が増加する方向に働くことを明らかにした。この作用はL型カルシウムチャネルファミリーの内、Cav1.2に特異的な配列との相互作用を介してなされることが示唆された。 これらの結果から、同定した蛋白は、L型カルシウムチャネル(Cav1.2)の性質を変化させることで、心房筋などへの分化過程におけるカルシウムシグナルに関与していることが示唆された。またこの蛋白は肝臓においてリン酸酵素の基質となることが分かっており、このリン酸化によりL型カルシウムチャネルの制御を変化させる可能性も考えられる。本研究ではカルシウムチャネルに結合する新たな蛋白を同定し、その相互作用の生理的意義について解析を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)