構成的に発現しているI型IFNシグナルによる癌化抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
03J61523
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
免疫学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳井 秀元 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | インターフェロン / 形質細胞様樹状細胞 / MyD88 / IRF / Toll-like receptor / TRAF6 / IRAK4 / CTTP / p53 / 抗腫瘍 / アポトーシス / 抗ウイルス応答 / 転写調節 / 光親和性標識 |
Research Abstract |
これまで構成的なIFN-α/βのシグナルの異常が細胞のトランスフォーメーションを引き起こすことを見出し、新しい発がんの制御機構の解明を目指して、この構成的なIFN-α/βのシグナルのがん化抑制の作用について詳細な検討を進めてきた.そこでさらに,生体内でもっとも強力にIFN-α/βを産生する細胞として知られているpDCにおける大量のIFN-α/βの産生メカニズムについて検討することにした.pDCにおいては非メチル化DNAや一本鎖RNAなどを認識し,Toll様受容体であるTLR9やTLR7(8)を介してMyD88依存性にIFN-α/βが大量産生される事が報告されていた.今回,我々は,このTLR7およびTLR9下流でのIFN遺伝子誘導において,従来ウイルス感染によるIFN遺伝子誘導に必須であることが知られているIRF-3およびIRF-7転写因子の関連性について検討を行った.その結果,FRET(fluorescence resonance energy transfer)解析や免疫沈降実験により,細胞質においてIRF-7がMyD88と会合することを見出した.一方IRF-3はMyD88とは会合しないことが示された.また,luciferase reporter assayやCpG-A ODN(oligodeoxynucleotide)刺激による核移行の解析の結果,MyD88依存性にIRF-7が活性化され,核移行することも明らかとなった.またIRF-7はTRAF6がIRF-7と会合し,その活性化に関与することも見出した.さらに,従来,IRAK4はMyD88と会合し,下流のNF-kB活性化につながる必須の分子であることが知られていたが,今回MyD88欠損マウス由来のpDCsと同様にIRAK4欠損マウス由来のpDCsにおいてCpG-A ODNおよび一本鎖RNA刺激によるIFN-α産生誘導が全く消質することもわかり,TLR9-MyD88下流におけるIRF-7の活性化にIRAK4が関与していることも示唆された.さらにIRF-7欠損マウスを作成して解析を進めたところ,IRF-7遺伝子欠損マウス由来pDCにおいては非メチル化DNAや一本鎖RNA刺激によるIFN産生が全く認められなかった.これらの結果,おそらくTLR7/9直下においてMyD88をはじめIRF-7,TRAF6やIRAK4を含む複合体(CTTP)が何らかの制御のもとに,少なくとも1つはIRF-7を介したIFN産生誘導経路と,もう一つは炎症性サイトカイン発現経路を分岐しているものと考えられた.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)