癌細胞におけるSTAT3の活性化機構と共役因子の同定
Project/Area Number |
03J61566
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
医化学一般
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
城尾 晶子 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | STAT / MITF / メラノーマ / がん化 / c-fos / 転写制御 / 形質転換 / サイトカイン / STAT3 / シグナル伝達 / 転写因子 / レトロウイルス |
Research Abstract |
細胞増殖因子の受容体の多くは細胞内ドメインにチロシンキナーゼを内在しているかもしくは造血因子やサイトカインの受容体のようにJAK型チロシンキナーゼが非共有結合によって会合している。慢性骨髄性白血病の原因遺伝子Bcr-Ablから明らかなようにチロシンキナーゼの恒常的活性化は腫瘍や白血病の発生、悪性化に密接に関連している。STATファミリー分子はサイトカインシグナル伝達系において重要な因子である。特に、STAT3は多くのヒトの癌及び形質転換した細胞株で活性化が見られることから腫瘍形成に関与すると考えられている。しかし、恒常的に活性化された変異型のSTAT3 (STAT3C)はv-srcほど強い細胞の形質転換能力を有していないことが、軟寒天コロニー形成実験から分かっていた。そこで、STAT3Cと協調して細胞の形質転換を誘導する腫瘍化因子を探すために、HeLaのレトロcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、MITFがSTAT3Cと協調してNIH3T3細胞の足場非依存的な細胞増殖を誘導することが明らかとなった。MITFはbHLH-LZ構造を取り、メラノサイトの発生や黒色化に働く重要な転写因子である。次に、マイクロアレイ解析及びノーザンブロッティングより、STAT3CとMITFとを共発現することによって原ガン遺伝子であるc-fosの転写レベルが上がることが分かった。更にプロモーター解析及びChIPアッセイにより、STAT3とMITFがそれぞれc-fosのプロモーター領域内のSIE配列及びE-boxに結合することが明らかとなった。また、ドミナントネガティブAP-1をレトロウイルスで導入するとSTAT3CとMITFとを共発現したNIH3T3細胞の形質転換が抑制されたことから、STAT3CとMITFは協調的にc-fosの発現を高めてその結果細胞の形質転換を誘導することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)