職業的階層の上昇を目指す移民女性-日本とアメリカ合衆国に滞在するブラジル女性の比較研究
Project/Area Number |
04F04002
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Gender
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Research Institution | Tohoku University |
Host Researcher |
鈴木 淳子 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
YAMAMOTO Lucia Emiko 東北大学, 大学院・文学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 移民女性 / 職業的移動 / キャリア形成 / エスニック・コミュニティー / エスニック・ビジネス / ジェンダー / 移民政策 / 労働市場 / 性役割 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国際移動の女性化現象という視点に立ち,受け入れ国(ホスト社会、エスニック・コミュニティー)が女性のキャリア形成や職業的階層の上昇を可能にするためにどのような機能を果たしているのかを明らかにすることである。研究対象者を日本とアメリカ合衆国に滞在するブラジル人移民女性とし、職業的階層の上昇を目指すブラジル人女性の日米比較研究を行った。具体的には,2004年から2年の間、群馬県大泉町およびマサチューセッツ州ボストン市周辺でエスニック・コミュニティーが移民女性にどの様な職業的機会を与えているのかを面接調査を用いて研究し以下の点を明らかにした。 両国の移民政策は異なる内容であるにもかかわらず、ブラジル人移民女性の就労経験には共通点が認められた。ニューカマーであるブラジル人女性の大多数は、未熟練労働に携わっている。本国で専門資格を持ち日本語あるいは英語の能力のある女性であっても、ホスト社会でその資格を証明することは難しく、本国での学歴・職歴を生かすことなく公的機関で移民向けのプログラムによる通訳、翻訳の仕事に従事している。労働市場においては、これらの仕事の雇用形態は臨時雇いで、移民女性は受け入れ国の未熟練労働者と同様の不安定な状況の中で働かなければならない。さらに、受け入れ国で低賃金労働者(工場労働者、家政婦)であるブラジル人女性は、収入を高めるためエスニック・コミュニティーで副業を持つ。例えば、夜間、週末のエスニック・レストランでのアルバイト、ブラジル人向けの弁当作り、ベビーシッターなどである。またコミュニティー内にはインフォーマルな雇用機会が存在するが、どれも不定期で不安定である。これらの知見に関連して,2005年度には移民女性企業家に焦点を当て、彼女らの職業的移動についても検討した。 上記の研究成果を2005年の国際学会(9th International Interdisciplinary Congress on Women, Seoul :4th Annual Hawaii International Conference on Social Science, Hawaii)で発表した。また学術雑誌(Signs ; Women's Studies International Forum)に論文を掲載する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)