Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
よく知られているように、ネヴァンリンナは1925年に有名なネヴァンリンナ理論を発表した。この理論は、20世紀において最も重要なもののひとつである。有理形関数の値の原像一致による一意性の研究は、ネヴァンリンナの研究あたりに源を持ち、彼はその基礎を与えた。しかし、一意性の研究は、1930年代から1950年代半ばに停滞期を持った。1950年代の終わにXiong QinglaiやYang Leにより多くの優れた結果が得られた。最近、H.X.Yi, F.Gross, G.G.Gundersen, H.Fujimoto, G.Frank, E.Mues, N.Steinmetz and W.Bergweilerなどの多くの数学者により、一意性に関するエレガントナ結果が得られた.またF.Grossの問題、H.X.Yiの問題など新しい問題が提出された。すなわち、一意性集合の問題である。80年以上にわたるネヴァンリンナ理論の発展の中で、有理形関数の一意性理論の研究は、最近の10年において国際的にもっとも活発なテーマとなっている。本研究での中心的課題は,有理形関数の一意性理論の研究である.まず、我々は、森,林,藤解,熊との一連の共同研究で複素微分多項式に対する一意性定理に関しH.X.Yiの結果の改良を行ない"Complex Variables,.49(2004),No.11,793-806","Proc.Japan Acad.,80,Ser.A(2004),136-140,"Scientiae Mathematicae Japonicae,62(2005),305-315","J.Anal.Appl..4(2006),no.1,51-63."を出版した。さらに、J.Inequal.Pure and Appl.Math..,(1)(2003),1-7."Kodai J.Math.".に論文が受理されている。次に、角領域での値分布理論に関し、全複素平面でのF.GrossやH.X.Yiの問題を扱った。最近、上の問題についての部分的解答を得た。この結果は、第13回有限・無限次元複素解析会議の報告集としてKluwer Acad.Publ., Dordrecht,(2005)から出版される。さらに、有理形関数の一意性集合の研究で新しい特異方向の研究を行なった。これはまだ広く研究されていないと思われる。その結果は、"Complex Variables and Elliptic Equations"に出版予定である。最後に、パンルベ型の2階の微分方程式を扱い、値分布理論の応用として第1パンルベ超越関数の値の共有に関する命題を得た。また、第2、第4のパンルベ超越関数関する結果も得た。これに関する論文は"Comput.Methods Funct.Theory"から出版される。また,一意性集合の研究はたくさんあるが、一意性領域の研究はあまり無いように思われる.複素領域に非有界集合や可算無限個の領域を与え、そこに制限した条件から一意性定理を導くということについて現在構想中である。林、藤解氏との共同研究で複素平面での有理形関数の角領域での条件から一意性定理を導き,現在ある著名な数学雑誌に投稿中である.さらに,研究代表者の森は,有理形写像の値分布論の立場から,除外値をもつ写像の希少性についての研究,および研究協力者の相原との共同研究で除外因子を持つ複素射影空間への有理形写像の構成の研究を行い,任意の効果的因子に対して1より小さく,かつその因子より定まるある範囲にある任意の実数を除外指数に持つ代数的に非退化な有理形写像が常に構成できることを示し、除外指数の大きさの評価も与えた.
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