Project/Area Number |
04F04259
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Host Researcher |
吉田 裕 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
MANDAH Ariunsaihan 一橋大学, 大学院社会学研究科, 外国人特別研究員
ARIUNSAIHAN MANDAH 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ノモンハン事件 / モンゴル軍 / 関東軍 / 粛清問題 / 亡命者 / 情報 / ソ連軍 / モンゴル / 粛清 / ソ連 / 満州事変 / 国境線 |
Research Abstract |
1939年5月に関東軍が日本政府の戦争不拡大方針を無視してノモンハン事件に踏み切った背景に、ソ連軍戦力に対する「軽視」、「過小評価」があったとされている。本研究では、これまで余り注目されてこなかったモンゴルの大粛清をめぐる関東軍の情報判断の真相に迫ることにより、関東軍のノモンハン事件処理問題にモンゴルの大粛清が大きな影を落としていたことを検討してきた。 1937-39年にかけてモンゴルで政府の指導者・軍上層部を主とした大粛清がおこっている。この大粛清では、「反革命的日本のスパイ組織」に加わり「日本帝国主義の手先」として活動したというかどで、およそ4万人にものぼる人々が粛清された。この大粛清から逃れて日満側に脱出したソ連・モンゴルからの亡命者が関東軍にモンゴルの実情、モンゴル駐屯ソ連軍の兵力状況や戦法についてより的確な情報を提供した。対モンゴル・ソ連情報収集が非常に困難だった当時としては、モンゴル・ソ連軍の亡命者が提供する情報はモンゴル内部情勢をつかむ上で、当時の関東軍にとっては貴重なものであったと推測される。 亡命者の証言が関東軍の対モンゴル政策とノモンハン事件発生にどのような直接的な影響を与えたのか、現段階では決定的な資料は発見されていない。しかし、本研究において、最も重視したモンゴル・ソ連軍の亡命者であるビンバー大尉、フロント少佐、リュシコフ大将などが関東軍に提供した情報は、軍用極秘資料として小冊子にまとめられ、関東軍の各師団の参謀部に参考資料として配布されていた。関東軍は、亡命者から提供された情報を高く評価していたのである。第一線に立つ関東軍にとっては、大粛清によりモンゴルの反ソ感情が高まり、モンゴル軍が動揺し弱体化しているという情報は、日本政府のノモンハン事件「不拡大方針」を無視して、モンゴル・ソ連軍への攻撃開始の決定へ大いに駆り立てるものであったと思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)