企業間の経営資源の移転と外国直接投資の効率的な利用
Project/Area Number |
04F04267
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Economic policy
|
Research Institution | Waseda University |
Host Researcher |
浦田 秀次郎 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授
|
Foreign Research Fellow |
DO Hong Manh 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 多国籍企業 / 直接投資 / 技術移転 / 裾野産業 / タイ / ベトナム / 中国 / 日本 / 企業 / 国際分業 / 製造業 / 東アジア / 地域統合 |
Research Abstract |
本研究では、前年度から開始した研究の一環として、外資系企業と現地企業との関係を中心に、外国直接投資(FDI)の受け入れ国での企業間の経営資源の移転パターンとメカニズムを解明することを引き続き分析した。 具体的に今年度我々は、「効率化を目指す多国籍企業の行動と現地企業との関係」と「製造業における外資系企業の進出と現地部品企業の発展」という二つの視点からアプローチしていた。 前者に関して、タイに進出している多国籍企業(MNC)の調査の分析結果を基に、現地調達比率、販売、賃金システム、労使関係、技術移転を含む研究開発などの様々な角度から日系、欧米系及びアジア系企業の行動を比較し、MNCの効率的な経営のために地場企業との密接な関係が大切であるという結論を導き出した。 後者については、現地部品企業の調査データを用いて、中国及びベトナムのFDIの誘引、利用の効率性に関する比較分析が行われた。90年代から、中国及びベトナムは共に、FDIの導入に伴って持続的に高い経済成長率を遂げる成功例と見なされたが、この過程では、現地企業を含む国内生産の振興という課題に注目すれば、ベトナムと比べ、中国はFDIをより効率的に利用したと見られる。両国における部品産業の実態についての調査の分析結果により、FDIの効率的な利用を可能にさせるにあたって必要不可欠な条件としては有力な裾野(部品)産業の存在であることが分かった。さらに現地企業の事例を詳細にみると、中国での裾野産業の発展には、香港及び台湾の中小製造企業が重要な役割を果たしていたことが明らかになった。 上述の発見から、我々は「裾野産業の重要性」に着目し、既存の産業集積の形成についての理論を補足的に説明した。また、先発国とキャッチアップをしている途上国(例えば、ベトナム)にとって、有力な裾野産業集積を形成させるため、先進国から先発途上国までの中小企業の直接投資を誘致する必要があると指摘した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)