Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
k[x]=k{x_1,...,X_n]を体k上のn変数多項式環とすると,各α∈k\{0},l∈{1,...,n},及びf∈k[x_1,...,x_<l-1>,x_<l+1>,...,x_n]に対し,k[x]のk上の自己同型がx_l→αx_l+f, x_i→x_i(i≠1)から定まる.この様な自己同型は基本自己同型と呼ばれる.n【less than or equal】2では自己同型群Aut_kk[x]は基本自己同型により生成されることが知られていたが,n【greater than or equal】3の場合については長い間未解決だった.しかし,2004年にShestakov-Umirbaevは,遂にこの有名な問題を否定的に解決した. 2006年度は,以前から取り組んでいるヒルベルトの第14問題に関する研究を行う一方,こうした多項式環の自己同型に関する研究も行った.Shestakov-Umirbaevの理論では,多項武の次数に関するある不等式が重要な役割を果たす.私はヒルベルトの第14問題の反例の構成に用いる手法を利用し,彼らと異なる極めて簡明な方法によりこの不等式を一般化した.さらにそれを応用し,k[x]の自己同型が満たすべきある十分条件を与えた.これは,"n=2のとき,各σ∈Aut_kk[x]に対しdegσ(x_1)|degσ(x_2)またはdegσ(x_2)|degσ(x_1)が成り立つ"というよく知られた主張の一般化に相当する.この領域における近年の進展は目覚しく,国内外の著名な研究者との時宜を得た情報交換が必要だったため,金額を旅費に当てた.2006年10月にハノイで開催された多項式環論に関する国際シンポジウムに参加し,第一線で活躍する海外の専門家と有意義な意見交換を行った.また,最新の結果を国内の研究集会等でも公表した.2007年2月12日から3月2日にかけてWestern Michigan Universityに滞在し,Gene Freudenburg氏とヒルベルトの第14問題や局所冪零微分,多項式環の自己同型等について議論した.
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