Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
アブラナ科Brassica napusは、自家不和合性種であるBrassica rapa、Brassica oleraceaを基本ゲノム種とする自家和合性倍数体種である。B. napus3品種の自家和合性原因を明らかにした。自家不和合性遺伝子座にはSRK、SP11が座乗し、他数の自家不和合性対立遺伝子を集団中に持つ。これらの対立遺伝子間には優劣性が存在する。B. napus5は基本ゲノム種由来の自家不和合性遺伝子座を2つ持つ。各3品種の2つの自家不和合性遺伝子座は、それぞれ優劣関係のあるS対立遺伝子を持っていた。優性側の自家不和合性遺伝子が機能を失っていた。優性側の遺伝子が機能を失い、さらに劣性側の遺伝子発現を抑えることで、B. napusが自家和合性になると示された。他の倍数体種であるB. juncea、B. carinataについても解析を行った。これら2種は、それぞれB. rapaとB. nigra B. oleraceaとB. nigraを基本ゲノム種としている。両種は、B. napusと同様の原因で自家和合性になった可能性が示唆された。異質倍数体種は、基本ゲノム種の集団が交わる領域で成立したと考えられている。しかし、種間不和合性や雑種胚致死など生殖的障壁、染色体の倍加の必要性など、異質倍数体が生じる可能性は低く、集団内での個体数は少ないと考えられる。個体数が少ないときは、自家和合性の適応度が高いと考えられている。優劣関係を持ったS対立遺伝子の組み合わせでは、優性側に機能を失う突然変異が存在するだけで、即座に自家和合性を獲得できる。優劣関係のあるS対立遺伝子遺伝子の組み合わせは、異質倍数体種が成立するためには重要であったと推察される。
All 2007 2004
All Journal Article (3 results)
Plant Journal (印刷中)
Sexual Plant Reproduction 17巻
Pages: 33-39
Plant Cell 16巻
Pages: 3230-3241