腸管出血性大腸菌O157のパルスフィールドゲル電気泳動パターンの変化に関する研究
Project/Area Number |
04J03994
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Kobe University |
Research Fellow |
井口 純 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | PFGE / O157 |
Research Abstract |
臨床や環境から分離される腸管出血性大腸菌O157(O157)株のパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)パターンは非常に多様であることから、同一血清型内でもゲノム構造が多様であると考えられている。しかし、そのような多様性がどのようにして起こるのかについてはこれまでにほとんど知られていない。本研究では実験室内で特定菌株を連続的に継代培養することにより派生した菌株を用いてPFGEパターンの変化に影響を及ぼした変異について調べた。その結果、PFGEパターンの変化に関与した変異の一部は、複製軸に対してほぼ対称な位置に存在する2つのファージまたはファージ様DNA領域を介した大規模は逆位であることが分かった。逆位は複製終結点周辺に存在する5つのラムダ様ファージDNA領域を介した4タイプと、2つのファージ様DNA領域を介した1タイブの合計5タイプがみられ、逆位領域の大きさは250-kbから1.4-Mbであった。PFGEパターンの変化としては1回の逆位で4バンドが変化することが分かった。逆位はプロファージ領域内の相同性の高い配列を介した組換えにより起こったと予想された。以上の結果より、プロファージDNA領域を介した大規模な逆位がO157のPFGEパターンの多様化に関与し、ゲノム上でのファージDNAの存在は単なる「挿入DNA断片」に留まらず、「変異スポット」としてさらにゲノムの多様化を加速させている可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)