Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
リーマン面の複素構造の変形空間であるタイヒミュラー空間上には,擬等角写像類群が双正則同相写像として作用する.リーマン面が無限型の場合には,タイヒミュラー空間は無限次元になり,擬等角写像類群の作用は一般に不連続ではない.そこで、ある双曲幾何学的性質をもつリーマン面に対して,pure mapping class groupと呼ばれる擬等角写像類群の部分群は不連続に作用することを示した.より一般に,リーマン面のある双曲幾何学的条件のもと,停留的部分群は不連続に作用する.しかし作用の軌道が複雑である非停留的部分群についてはこれまで研究されてこなかった.本研究では、非停留的部分群でタイヒミュラー空間上に不連続に作用するものも構成した.これは今後の研究内容であるタイヒミュラーモジュラー変換および擬等角写像類の分類問題に深くかかわってくる. 無限次元タイヒミュラー空間の理論は近年大きな進展をみせたが,そのなかでの中心的問題は,タイヒミュラー空間の自己同型群を決定するというものであった.コンパクトリーマン面に対しては,それはモジュラー群であったが,これが一般にも正しいかという問題は長い間未解決であった.最終的にはMarkovicによって,タイヒミュラー空間の接空間の同型が,リーマン面間の双正則同型によって誘導されるという定理が証明されて解決をみた.それまでの問題の帰着や部分的解答についてはEarle, Gardiner, Lakicなどの業績があった.本研究では,不連続性の議論を用いて,そのなかのあるステップを大いに簡略化できることを示した.
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