アポトーシスに着目した、胃粘膜における攻撃因子と防御因子の作用機構の解明
Project/Area Number |
04J04967
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kumamoto University (2005-2006) Okayama University (2004) |
Research Fellow |
星野 竜也 熊本大学, 医学薬学研究部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アポトーシス / 胃粘膜 / NSAID / 小胞体 / カルシウム |
Research Abstract |
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は優れた抗炎症薬として大変よく使用されている。一方疫学的研究から、NSAIDsの長期使用により、大腸癌、胃癌などの消化器癌の発症リスクが大きく低下する事が明らかになり、NSAIDsは新しいタイプの抗癌剤として注目されている。最近我々は、この抗癌作用のメカニズムとしてNSAIDsが小胞体ストレス応答(CHOP誘導、小胞体シャペロン誘導など)を引き起こす事、及びこのCHOP誘導がNSAIDsによるアポトーシス誘導に重要であることを見出した。 Oxygen-Regulated Protein 150 (ORP150)はHeat shock protein 70 (HSP70) familyに属する小胞体シャペロンである。今回我々はヒト胃癌細胞を用いて、NSAIDsによるORP150の誘導の分子機構を調べると共に、そのNSAIDs依存のアポトーシスに対する影響を検討した。我々は胃癌細胞において、様々なNSAIDsがORP150を誘導することを見いだした。さらに癌細胞を移植したヌードマウスにNSAIDsを経口投与したところ、癌の増殖が抑制され同時にORP150の発現量が増加していた。次に我々はこのNSAIDsによるORP15(誘導機構を検討した。我々はNSAIDsがATF6経路、PERK/ATF4経路を活性化することを見出し、さらにATF4、ATF6のsiRNAを用いて、両経路がNSAIDsによるORP150誘導機構に関与していることを証明した。またNSAIDsは細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させることから、細胞内Ca^<2+>キレーターであるBAPTA-AMで細胞を処理したところ、NSAIDsによるORP150の誘導、ATF6経路の活性化、PERK/ATF4経路の活性化の全てが抑制された。これらのことから細胞内Ca^<2+>濃度の上昇によりATF6経路、PERK/ATF4経路が活性され、これによりORP150が誘導されることが考えられる。一方、ORP150を過剰発現させた細胞ではNSAIDsによるアポトーシスが抑制され、またORP150の発現をsiRNAにより抑制するとNSAIDsによるアポトーシスが促進された。 以上の結果は、NSAIDsによるORP150の誘導がNSAIDsによるアポトーシスに対し抑制的に働き、NSAIDsの抗癌作用を弱めていることを示唆している。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)