Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
前年度に引き続き、グループIIイントロンに着目して、タバコ葉緑体無細胞(in vitro)スプライシング系の開発に主眼をおき研究を進めた。前年度の成果により、タバコの葉緑体を用いた無細胞スプライシング系の調製、活性の検出に成功していたため、本年度はさらにスプライシング効率を高めるための条件検討、および、in vitro系を用いてスプライシング効率に影響を与えるシス配列の同定を行った。1、葉緑体抽出液の調製とスプライシング系の開発および改良葉緑体mRNAのスプライシング活性を指標として、タバコの育成条件、調製条件の検討を行い、スプライシング活性を安定させることに成功した。さらにin vitro反応時の塩濃度、基質濃度、反応時間等、様々な条件の検討によって、2種類の遺伝子mRNAについて、効率よくスプライシングされる反応条件を決めた。2、イントロンの保存配列の機能ドメインの同定イントロン配列中の配列を改変した前駆体mRNAをin vitro系で反応させることによってスプライシングに関わる配列を同定する事ができた。これを2種類のmRNAで比較したところ、同一種類のシス配列にも関わらず、スプライシング効率への影響が両者で異なっていることが判明した。この結果はスプライシング反応に関わるタンパク質因子の種類が異なっていることを示唆している。3、イントロン配列に結合する蛋白質因子を検出基質RNAに結合する因子の検出を試みたが、現在までのところ安定した結果は得られていない。