流体界面系における濡れ-非濡れ転移の研究から線張力の研究への新展開
Project/Area Number |
04J06576
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
|
Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
高田 陽一 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 線張力 / 濡れ転移 / 表面間力 / electrowetting / 国際研究者交流(アメリカ) / 濡れ-非濡れ |
Research Abstract |
3相が接して形成される界線に働く線張力の本質を解明するため、測定装置と解析手法を開発した結果、流体3相系での精度良い線張力測定が可能となり、非濡れ-擬非濡れ転移近傍での線張力の符号変化を実験的に見出すことができた。さらに、濡れ薄膜を介した表面間力に基づいた線張力の理論的考察から、濡れ挙動と線張力の密接な関係を示すことができた。 これらの研究成果に基づき、表面間力の観点から線張力の研究を行うために、シリコンウェハ固体面を用いたelectrowetting(電場下での濡れ)の研究に取り組んだ。ここでは、以下の研究をカンザス州立大学Bruce Law教授の下で行った。 1.electrowettingの研究で用いるシリコンウェハ表面の性質・構造を明らかにするために、精密な偏光解析測定からシリコンウェハ表面の誘電率および厚みを正確に決定した。酸化膜層の厚みの増加に伴い誘電率は減少したが、これは酸化膜の成長過程で生じる膜密度の違いを反映していることが示唆された。また、しばしば議論される液体/疎水性固体表面での空気層の存在について検討したが、今回の実験系では確認されなかった。 2.正確に決定されたシリコンウェハ表面の性質を基に、電気二重層力の線張力への寄与を明らかにすることを目的としてelectrowettingの研究を行った。塩化ナトリウム水溶液/ブロモアルカンレンズ/シラン膜で覆われたシリコンウェハ系で電圧の関数として接触角を測定したが、大きな接触角履歴(ヒステリシス)を生じた。このヒステリシスはシリコンウェハ表面の不均一性あるいは粗さに起因することが示唆され、電気二重層力の線張力への寄与を解明するためには、シリコンウェハ表面の改質あるいは3相流体系への展開が必要不可欠であることが分かった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)