超流動ヘリウム中での不安定核原子のレーザー光ポンピングと核構造研究への応用
Project/Area Number |
04J07969
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
古川 武 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 原子核構造 / 不安定核 / 核モーメント / レーザー分光 / 二重共鳴法 / 超微細構造 / 超流動ヘリウム / 短寿命核 / スピン偏極 / 光ポンピング法 |
Research Abstract |
原子核の持つ電磁気モーメント(核モーメント)は、原子核の構造、状態を直接反映した物理量として各地で研究、測定が行われている。しかし、安定核領域から遠く離れたドリップライン近傍領域の短寿命不安定核は、その核構造の特異性から近年注目を集めているのであるが、生成収量が少ない点などが問題となり既存の方法では核モーメント測定が困難である。そこで、私たちは短寿命不安定核に対しても汎用的に核モーメント測定が可能な新しい測定法の確立を目指し、『超流動ヘリウム中に停止したRI原子のレーザー・マイクロ波二重共鳴法』という、レーザー分光的手法に超流動ヘリウム中という特異な環境を組み合わせ、不安定核の原子が持つ超微細構造から核モーメントを導出する独自方法の開発を進めている。 これまでの研究の中で、超流動ヘリウム中に停止した^<133>Cs原子が周りを高密度のヘリウム原子に囲まれているにもかかわらずスピン偏極が長時間保持されることが確認された。この成果は、国際会議『IQEC 2005』にて口答発表を、Physical Review Letters誌にて誌上発表をそれぞれ行った。 さらに、^<133>Cs原子を用いて実際に二重共鳴法により超微細構造準位間隔の測定を行った。得られたスペクトルは、これも周りを超流動ヘリウム中に囲まれているにもかかわらず非常に鋭い線幅を有しており、ローレンツ型関数を仮定してフィッティングを行った結果、超微細構造準位間隔が9.25104604(64)GHzと、まだ誤差は統計誤差のみしか考慮してはいないものの、詳細に決定することができた。得られた準位間隔は真空中の値とわずかに相違が生じているが、これは周りのヘリウム原子が核外電子に与える影響であろうと考えている。今後、Rb原子で同様の測定を行い核外電子構造が同じ同位体間での超微細構造の比較が課題となる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)