増殖因子HB-EGFの活性発現におけるヘパラン硫酸PGの役割とその相互作用の解析
Project/Area Number |
04J08487
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
髙﨑 理紗 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | HB-EGF / 増殖因子 / 細胞外マトリックス / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 細胞間情報伝達 / HSPG / EGFR / Heparin-binding EGF like Growth Factor / Heparin-binding Domain / heparan sulfate proteoglycan / Heparin |
Research Abstract |
HB-EGFはEGFファミリーに属するヘパリン結合性の増殖因子である。HB-EGFの機能的特徴はヘパリン結合性である。HB-EGFのヘパリン結合性の生物学的意義の解明を目的として、我々はまず、HB-EGFのヘパリン結合性という性質およびその分子内ヘパリン結合ドメイン(HBD)が、HB-EGFの生理活性においてどのような役割を果たしているのかを解析するために、HBDを欠失させた変異HB-EGF分子(HB-ΔHB)を作製し、野生型HB-EGFとの性状比較を行ったところ、HB-ΔHBの、EGFR発現細胞に対する増殖因子活性およびジフテリア毒素結合活性は野生型HB-EGFのこれらの活性に比べて著しく高く、野生型HB-EGFにヘパリンが会合した場合と同等の活性を有することがわかった。これらのことから、HBDはHB-EGFのEGFドメインの活性を構造的に負に制御しており、ヘパラン硫酸糖鎖とHBDとの会合がHBDによる負の制御を解除するということが明らかとなった。しかし通常の組織では、ヘパラン硫酸糖鎖はコア蛋白と結合したヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)としての存在状態の方が生理的であると考えられる。そこで、細胞表面のHSPGとの会合がHB-EGFの増殖因子活性に対してどのような影響を与えるかを検討する目的で、HSPGを発現するVero細胞をPFA固定し、その表面にHSPGを介して分泌型リコンビナントHB-EGFを結合させ、その上でDER細胞(EGFR発現IL3-dependent 32D細胞)を共培養する、という実験系を確立した。すると、DER細胞は、培養液中IL-3の有無に関わらず、HSPGに結合したrB-EGF量依存的にその増殖が著しく抑制される、ということを見いだした。この実験系において、DER細胞の増殖抑制が細胞周期停止(GO/G1)であること、またそのHB-EGF及びHSPG依存性、EGFRのkinase活性及び細胞内領域Y1068モチーフが必須であること、さらにHB-EGFに対するHS鎖添加の場合はEGFR-MEK-ERKシグナルの活性化が一過性であるのに対し、HSPG結合型HB-EGFの場合これらの活性化が持続的であり、DER細胞の細胞周期停止にはEGFR-MEK-ERKシグナルの持続的活性化が必要かつ十分であることがわかった。これらのことから、HB-EGFは細胞表面HSPGと会合することで、その活性が増殖促進から抑制に転換することが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)