Project/Area Number |
04J09019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology (2005) Hokkaido University (2004) |
Research Fellow |
谷口 博基 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ペロブスカイト / 量子常誘電性 / 相転移 / 同位体効果 / ラマン散乱 / 量子揺らぎ |
Research Abstract |
量子常誘電体SrTiO_3が示す同位体誘起強誘電性は、量子揺らぎの制御による強誘電性の誘起に成功した初めての例として非常に多くの注目を集めている。同位体誘起強誘電性のメカニズムを解明することは、これまで熱揺らぎの範疇で議論されてきた誘電物性において、量子揺らぎと強誘電性の協力的相互作用の拮抗という新たな図式を与えることになり、極めて意義深い。 本研究では平成16年度において、^3He蒸発冷凍光学セルを用いた極低温光学測定系を構築し、600mkに至るまでの極低温光散乱測定を可能にした。その結果、低温領域において同位体置換による強誘電性ソフトモード振動数の低下を観測し、同位体誘起強誘電性の誘起機構としてソフトモードに対する質量効果を示した。同時に、前駆現象として局所対称性の低下した非強誘電性の領域(LSBR)の成長を明らかにし、同位体置換したSrTiO_3の誘電物性において系の不均一性が本質的な役割を担っていることを示した。その結果に基づいて本年度は、臨界置換率直下の同位体置換試料を作成し、ソフトモードのダイナミクスをラマン散乱測定によって観測することで、同位体誘起強誘電性の発現初期段階を系の不均一性との関連から調べた。その結果、同位体誘起強誘電性の発現初期過程においてソフトモードが局所的に凍結することによって局所的な強誘電性の領域が発生することを明らかにした。これによって、"ソフトモードが凍結しない量子常誘電性⇒ソフトモードの非一様な凍結による局所強誘電性⇒ソフトモードの一様な凍結による長距離強誘電性"という酸素同位体誘起強誘電性の全体像を示した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)