昆虫幼虫における外皮形態形成の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
04J09245
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
二宮 陽介 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ドーパ脱炭酸酵素 / チロシン水酸化酵素 / 真皮細胞 / GBP / ドーパミン / メラニン / チロシン水酸化酵 / 尿酸 / Differential Display |
Research Abstract |
メラニン合成経路の解明に向け、昆虫のドーパミンメラニン形成においてキーエンザイムとして働いている、TH(チロシン水酸化酵素)とDDC(ドーパ脱炭酸酵素)に注目し実験を進めてきた。脱皮期、THとDDCは、黒色縞模様直下の真皮細胞で、局所的にmRNAの発現が上昇し、TH・DDCタンパク質の局在を引き起こしていた。このようなTH・DDCの局所的な発現調節を解明する為に、真皮細胞におけるDDCの発現を誘導することが報告されている、GBP(growth blocking peptide)に注目して実験をおこなった。その結果、in vivo, in vitro両実験系において、TH・DDC共にGBPによる発現の誘導が確認された。また、このGBPによる発現誘導は、カルシウムキレート剤EGTAを反応溶液に加えることで完全に阻害されることから、細胞外カルシウムの細胞内への流入が不可欠であると考えられる。またカルシウム蛍光指示薬Fluo-3を使用し、カルシウム流入細胞を可視化したところ、黒色縞模様直下の真皮細胞でのみカルシウムの流入が観察された。このことから、GBPは細胞内カルシウム濃度を上昇させ、TH・DDC発現を誘導している。そしてこのGBPによる細胞内カルシウムの流入は、黒色縞模様直下の真皮細胞でのみ起こることが、ドーパミンメラニン形成を引き起こしていると考えられる。 また、ショウジョウバエ胚の創傷部位におけるTH・DDC発現誘導にERK(細胞外シグナル調節キナーゼ)活性化が関与していると報告されているが、GBPによるTH・DDC発現誘導において、ERK活性化はまったく関係していなかった。このことは、GBPによるTH・DDC発現誘導メカニズムは、これまで知られているものとは違う、新しいシグナル伝達経路であると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)