イネ着色多様性の分子機構-基本着色遺伝子CおよびAの複対立系分化と遺伝子系譜
Project/Area Number |
04J09256
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 久美 北海道大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イネ / 表現型多様性 / 塩基多様度 / 遺伝子系譜 / アントシアニン |
Research Abstract |
栽培イネにみられる遺伝子多様化の分子的基礎を明らかにする目的で、アジア栽培-野生イネ複合体(O.sativa40系統、O.rufipogon40系統、計80系統)のA(アントシアニン活性化遺伝子)の候補遺伝子であるDER遺伝子(Dihydroflavonol 4-reductase)について、アウトグループとともに塩基配列を決定し、系統解析を行った。アウトグループの1つO.longistaminataでは、翻訳開始点の上流に複数のインデルがみられ、アントシアニン着色に対する抑制遺伝子(PS-3)への応答は、アジアイネにみられる応答とは明らかに異なっていた。また、異なるアレーレをもつNILにおける遺伝子発現(着色程度)は温度によっても違っていた。栽培品種で報告された異なるアレーレは、アミノ酸置換変異や終始コドンが高頻度に検出され、A遺伝子がDFR酵素をコードすることが判明した。日本型イネ品種の塩基多様度は、インド型品種や野生イネに比較して著しく低かった。ところが、日本型イネ品種におけるアミノ酸置換率はサイレント置換率より極めて高く(7.75)、アミノ酸変異が選択的に作用することを示唆した。注目すべき結果は、低温環境下で生育する北海道品種には、サイレント置換が検出されないにもかかわらず、アミノ酸置換変異が高頻度に見出され、地域特異的な多様化が起こっていることを意味することである。このことは、育種の過程で地域適応に向けて遺伝的多様化を人為的に実際に利用したことを明らかにしている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)