緑色光合成細菌のアンテナ複合体クロロゾームの構造と励起状態のダイナミクスの解明
Project/Area Number |
04J09376
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Research Fellow |
柿谷 吉則 関西学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光合成 / クロロゾーム / 固体NMR分光 / 電子吸収 / 円偏光二色性 / レーザー分光 / 励起状態 / ダイナミクス |
Research Abstract |
ロッドエレメントの構造解明2:再構成クロロゾームを用いた解析 高速レーザー分光によるクロロゾームの励起状態のメカニズムの解明 高速レーザー分光による紅色光合成細菌のアンテナ装置の測定を含めた本研究の総括 プロジェクトは極めて順調に進んだ。今年度の目標はほぼ達成出来たと考えている。 昨年度に確立した「クロロゾームの再構成法」を用いて、^<13>C-BChlcのみおよび^<13>C-BChlcと^<12>C-BChlcを1:1に混合した再構成クロロゾームを調製し、それらの二次元DARRスペクトルを測定した。会合構造の決定には分子間情報が不可欠であるが、両者のスペクトルに観測された相関ピークの強度を比較すること(初年度の研究成果)により、その情報を選択的に得ることに成功した。その結果、ロッドエレメントにおけるBChlcの会合構造は、BChlcの人工会合体と基本的には同様の会合構造で、螺旋構造になったモデルを提出することが出来た。 更にその構造は、二量体累積構造と単量体累積構造が共存した構造であった。二量体累積構造は筒の長軸方向に、単量体累積構造は螺旋の方向に存在している。それら方向で電子カップリングや電子雲の重なりが大きくなるので、それらに沿った励起の流れが存在すると予測される。一重項および三重項励起の効率的な伝達あるいは消滅反応を促進し得る構造であることが判った。 また、紅色光合成細菌のアンテナ装置と光反応中心の時間分解吸収スペクトルを測定してクロロゾームと比較したところ、特異なクロロゾームの構造に基づいた効率的な励起状態のダイナミクスが存在することが分かった。クロロゾームは、微弱光の捕獲あるいは余剰のエネルギーの散逸等を効率的に行える構造であるといえる。 今年度は3つの論文と4つの総説を発表することが出来た。昨年度の成果であるクロロゾームの再構成については、Biochemistryに受理された段階であることを申し添える。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)