2004 Fiscal Year Annual Research Report
緑色光合成細菌のアンテナ複合体クロロゾームの構造と励起状態のダイナミクスの解明
Project/Area Number |
04J09376
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
柿谷 吉則 関西学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光合成 / クロロゾーム / 固体NMR分光 / 電子吸収 / 円偏光二色性 / レーザー分光 / 励起状態 / ダイナミクス |
Research Abstract |
ロッドエレメントの構造解明1:モデル系BChl c会合体を用いた解析 プロジェクトは極めて順調に進んでいる。今年度の目標は90%以上達成出来たと考えている。 2004年6月に、イギリスのグラスゴー大学で開催された国際学会で、「モデル系バクテリオクロロフィルc (BChl c)会合体」の構造解析に関する成果をまとめて45分の口頭発表を行った。この場では、本研究課題の最終目標である「クロロゾームの構造解明」の第一段階として、モデル系から見たクロロゾームの構造を新たに提案した。 その後、更に解析を進めるために、高性能ワークステーションを導入し(2004年7月)、コンピュータによるシミュレーション解析に力を注いだ。構造解明のためには、ミクロな視点とマクロな視点の両方に立って解析することが必要不可欠で、固体NMR分光(ミクロな視点)で得た二次元スペクトルに加えて、電子吸収スペクトル・円偏光二色性スペクトル(マクロな視点)および粉末X線回折パターン(統一的な視点)のシミュレーションプログラムを作成した。その結果、今までの解釈と矛盾しない結果を得ることが出来た。尚、プログラムの作成では、神戸市外国語大学の長江裕芳教授にご協力頂いた。 2005年3月に、新潟で開催された日本植物生理学会2005年度年会にてポスター発表を行い、今年度のまとめとした。また、当初の予定では、年度末までに学術雑誌に論文を投稿する予定だったが、現在準備を進めている段階で、唯一これのみ達成することが出来なかった。 今年度の目標であったモデル系BChl c会合体の構造決定については、BChl cの二量体が浅く累積した構造であることが判り、クロロゾームについても同様の累積構造でかつ螺旋構造になっていることが予測された。来年度はクロロゾームの再構成を行って、当初の予定通り、構造決定に力を注ぐ予定である。
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Research Products
(3 results)