Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
選択的な蛋白質の分解に関わる20Sプロテアソーム(7種のαサブユニットからなるαリングと7種のβサブユニットからなるβリングがαββαの順に積み重なった樽上の複合体)の分子集合に関わる分子の研究を引き続き行った。1 PAC1 KOマウスの解析について本年度は、申請者が同定したプロテアソーム特異的なシャペロンPAC1の条件付きノックアウトマウスを作成しその解析を行った。PAC1の発現を全身で抑制すると、このPAC1 KOマウスは致死であった。解析によると発生の初期段階で死亡することから、その時点においてプロテアソームの新生が盛んであり、PAC1の寄与が不可欠であることが想定された。また脳特異的にPAC1を欠失するマウスには運動障害の表現系がみられており、詳細な解析中である。2 PAC1と相互作用する因子の同定と解析についてPAC1-PAC2複合体とプロテアソームサブユニットとも相互作用する新奇タンパク質としてPAC3を同定し、その役割の解析をした。その結果、PAC3はホモ二量体としておもにαリング(7種のαサブユニットとPAC1,PAC2の複合体)と共局在し、αリングの形成過程と、さらにαリング上にβサブユニットを配置する段階にも関わることを見いだした。このことから、このように20Sプロテアソームの分子集合は、複数の特異的なシャペロンが段階的且つ一時的に介在した、多段階からなる会合反応と進行して、正しい複合体を形成する過程であることが明らかとなった。以上の成果は、米国学術雑誌Molecular cellに発表した。
All 2006 2005
All Journal Article (4 results) Book (1 results)
Cell. 127(4)
Pages: 675-7
Mol Cell 24(6)
Pages: 977-84
Methods in Enzymology 399
Pages: 227-240
Nature 437
Pages: 1381-1385