Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
前年度までに、様々な系のモデルハミルトニアンを第一原理計算に基づいて構築(ダウンフォールディング)するためのプログラム開発を行い、東京大学物性研究所の「SR11000」にて高速稼動させる為のチューニングを行った。本年度は、このプログラムを、(i)3d遷移金属(Sc〜Cu)のオンサイト有効クーロン相互作用Uの化学傾向分析、(ii)遷移金属カルコゲナイドNiGa_2S_4の有効ハイゼンベルグ模型構築、(iii)分子製固体BETS-TTFの拡張ハバード模型構築、(iv)半導体及びwide-gap絶縁体のcomplete-neglect differential-overlap(CNDO)模型構築、などの様々な問題に適用し、開発手法の一般性・有効性を調べている。模型構築がうまくなされたかどうかをチェックするために、得られた模型に対して実験観測量を計算するプログラムを開発した。具体的には電子励起スペクトルをsingle-excitation(SE) configuration interaction(CI)法のもとで計算するプログラムを開発した。CI法の固体の電子励起状態への適用は世界初である。テスト系としてGaAsを選び、CNDO-SECIスペクトルを計算し実験と比較したところ、ほぼ完全に実験を再現した。これらの結果より、私の開発したダウンフォールディングアプローチは、第一原理計算では直接取り扱えない問題(大規模系・強相関電子系・電子励起状態など)を間接的ではあるが非経験的に取り扱うことのできる有望な手法と思われる。現在、内外の研究者と協力して様々な系(遷移金属酸化物・分子性固体)への応用を行っている。
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Physical Review B (印刷中)
Journal of Chemical Physics 122
Pages: 194503-194503
Journal of Chemical Physics (発表予定)
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