頂点作用素代数を用いたMckay observationの解明
Project/Area Number |
04J10135
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
山内 博 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 頂点作用素代数 / モンスター単純群 / E8構造 / 軌道体構成法 / イジング枠 / E8 / 単純カレント / 数理科学 |
Research Abstract |
モンスター単純群に現れるE_8型Dynkin図形の数学的意義をムーンシャイン頂点作用素代数の対称性に求めるこれまでの研究によって、軌道体構成法による正則な頂点作用素代数の変形理論、特にムーンシャイン頂点作用素代数とLeech格子頂点作用素代数におけるZ2-軌道体構成法との関連が重要であることが分かってきた。この問題はムーンシャイン頂点作用素代数の一意性問題と深い関わりがある。一般に軌道体構成法によって得られる正則な頂点作用素代数がムーンシャイン頂点作用素代数と同型であること示すのは非常に困難であるため、逆の発想としてムーンシャイン頂点作用素代数にZ2-軌道体を施し、得られた頂点作用素代数とLeech格子頂点作用素代数との関連を調べることにした。 この軌道体構成法を行うにはまずムーンシャイン頂点作用素代数の自己同型及びその不動点代数を具体的に定める必要があるが、ムーンシャイン頂点作用素代数のイジング枠構造に注目し、ムーンシャイン頂点作用素代数に限らない一般の枠付き頂点作用素代数の構造を詳しく調べ、その枠固定自己同型を二元線形符号だけで記述できるという結果を得て、C.H.Lam氏との共著論文として発表した。この結果は無限次元代数である頂点作用素代数の自己同型を有限な対象である二元線形符号だけで記述できる、頂点作用素代数の対称性を調べる上で非常に興味深い結果と思われる。 また、前述の論文では全ての枠付き頂点作用素代数はその二元符号頂点作用素部分代数の単純カレント拡大を成していることも解き明かした。この結果より、任意の枠付き頂点作用素代数はイジング枠から出発して高々2回の単純カレント拡大を行うことで得られることが分かり、正則枠付き頂点作用素代数の分類をほぼ構造符号と呼ばれる二元線形符号の分類問題に帰着することができる。特に中心電荷24の場合には、計算量の問題から構造符号の分類は未だ成されていないが、前述の論文で得られた結果を応用することによって、枠付き頂点作用素代数であって、そのウェイト1の部分空間が自明であるものはムーンシャイン頂点作用素代数に限るという、ムーンシャイン頂点作用素代数の一意性予想の類似結果を得ることができた。この結果はC.H.Lam氏との共著論文としてIMRNに掲載される予定である。この論文における主なアイデアは仮定条件を満たす枠付き頂点作用素代数からLeech格子頂点作用素代数をZ2-軌道体構成法で作り出すことであり、ムーンシャイン頂点作用素代数の一意性予想の解決に貢献している。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)