Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
妄想は統合失調症の症状であり,異常な信念である.最新の研究から,妄想に似た信念(以下,妄想的観念)は健常者でもよく見られることが分かっている.しかし,妄想と妄想的観念の違いが明らかになっていない.また,妄想が発生するメカニズムや介入法が明らかになっていない.そこで本研究では以下の3点を検討した.(1)妄想と妄想的観念の違いを調査法により明らかにする,(2)妄想を生み出す認知のメカニズムを明らかにし,実験法により検証する,(3)妄想への介入基礎研究・効果研究を行う.妄想の発生メカニズムを明らかにし,介入へ応用することで,精神病理学的意義ばかりではなく,治療や予防に直接生かせる研究課題である.本年度では,研究課題のうち(1)と(3)を実施した. (1)妄想と妄想的観念の違いを確認し,妄想の発生メカニズムを明らかにするために,統合失調症患者77名と健常大学生604名を対象に質問紙調査を行った.調査実施に際しては,インフォームドコンセントをとり,調査についての説明と参加への同意を確認した.調査の結果,統合失調症患者では,妄想の苦痛度と確信度の関連が見られた.一方,健常者では,妄想の苦痛度と確信度の関連がなかった. (3)妄想や妄想的観念の苦痛度と対処方略の関係を検討する為に,健常大学生186名と統合失調症患者43名を対象に,1ヶ月間隔で2回縦断調査を行った.その結果,逃避型対処方略が妄想的観念の苦痛度を強めることが分かった.この研究を記載した論文は,パーソナリティ研究誌に掲載予定である.
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