超高エネルギー宇宙線の解明と次世代観測機器への提言
Project/Area Number |
04J10719
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
吉口 寛之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超高エネルギー宇宙線 / AGASA / 宇宙線の到来方向分布 / ボトムアップシナリオ / 磁場 / HiRes |
Research Abstract |
超高エネルギー宇宙線の起源を探る上で、その到来方向分布が非常に重要な手がかりとなる。AGASAという観測グループにより得られた4×10^<19>eV以上の宇宙線の到来方向には二つの特徴がある。まず、大きな角度スケールでの有意な非等方性が見られないことである。しかし、その一方で、小さな角度スケールでの有意な非等方性、つまり、宇宙線到来方向のクラスタリングがあることが確認されている。この特徴を説明するソース分布はどのようなものか、超高エネルギー宇宙線はどこから来ているのかを、ボトムアップシナリオの立場に立ち宇宙線陽子の伝播に焦点を当てて調べることにより、その起源に迫れるのではないかというのが、私の研究の基本的な考え方である。 宇宙線はソースから地球までを伝播する際、銀河間空間に存在する磁場によりその進行方向が影響を受けるため、その効果を考えた伝播計算を行う必要がある。しかし、私の研究も含めた今までの計算では、磁場の強さの分散が空間的に一定な乱流磁場のような非常に簡略化された磁場モデルが用いられていた。実際には、銀河間磁場の強度は物質の分布をある程度トレースしたものであると考えられるため、より現実に近い磁場モデルでの宇宙線伝播の計算が必要であった。そこで、私はIRAS銀河サーベイの銀河データから宇宙線のソース分布のみでなく銀河間磁場モデルも構築し、そこでの宇宙線伝播やその結果得られる到来方向分布の計算を行い、AGASA観測の結果と比較した。また、銀河内の磁場の影響も考慮した。現実的な銀河間・銀河内磁場両方を考慮した計算は初めてである。結果として、宇宙線ソースの個数密度が10^<-5>Mpc^<-3>程度であれば、観測を説明できることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)