2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギー宇宙線の解明と次世代観測機器への提言
Project/Area Number |
04J10719
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉口 寛之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超高エネルギー宇宙線 / AGASA / HiRes / 宇宙線の到来方向分布 / ボトムアップシナリオ |
Research Abstract |
超高エネルギー宇宙線の起源を探る上で、その到来方向が重要な手がかりとなりうる。AGASA観測により得られた4×10^<19>eV以上の宇宙線の到来方向には、二つの特徴がある。まず、大きな角度スケールでの有意な非等方性が見られないことである。しかしその一方で、小さな角度スケールでの有意な非等方性、つまり、到来方向のクラスタリングがあることが確認されている。この特徴を説明するソース分布はどのようなものか、超高エネルギー宇宙線はどこから来ているのかを、ボトムアップシナリオの立場に立ち宇宙線陽子の伝播に焦点を当てて調べることにより、その起源に迫れるのではないかというのが、私の研究の基本的な考えである。 当初今年度の研究テーマとして考えていたのは、宇宙線陽子の伝播コードの拡張であった。具体的には、宇宙線陽子と宇宙背景放射が反応した結果できるガンマ線やニュートリノも計算コードに取り込むことを考えていた。 しかし、最近のHiRes観測で、超高エネルギー宇宙線到来方向分布に有意な二点相関が見られないことがわかった。この結果は、AGASAのものに反しており、注目を集めている。そこで、この両者の食い違いの統計的有意性について考えた。具体的には、ORS銀河サンプルを宇宙線ソースモデルとして用いて、さまざまなソース個数密度での宇宙線到来方向を計算する。この計算結果と観測との比較から、両者のデータでどれだけソース個数密度が正確に決定できるかを見る。結果としては、密度10^-5^Mpc^-3^程度で両者の観測を説明できることがわかり、現時点では食い違いに有意性はないと結論された。
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Research Products
(3 results)